ステイニングとは?

[ステイニングとは?]

ステイニングの「ステイン」とは、一般的に「着色、染色」等の意味以外に「しみ、よごれ」等の意味があります。一方ペインティングの「ペイント」は、一般的に「塗る、彩色」などの意味があります。この意味の違いから解るように、ステイニングは色をペンキなどで「塗る」作業とは違い、色を「しみこませる」作業になります。
ペインティングは、主に素材の上にスプレーやハケ等でペンキの材料を乗せる事です。それに対してステイニングは、色素や物質を素材に定着させるのが目的です。この作業目的の違いのためステイニングでは、ブラシで作業する場合その素材に定着させるため擦るような強い動作でステイニングを行い材質の中に浸透させなければいけません。
このように、ステイニングとペインティングは、作業工程、意味や目的は大きく違うものとなります。それでは、なぜ多くの方がこの二つの役割を混同してしまうのでしょうか?それは、ペインティングにはもう一つの役割、防食という目的があるためです。ペインティングの代表的な素材の鋼材とステイニングの木材を意味と方法を比較しながら、その違いについて説明いたします。

ステイニング: 色素や物質を素材に定着させるのが目的(色をペンキなどで「塗る」作業とは違い、色を「しみこませる」作業)

ペインティング: 主に素材の上にスプレーやハケ等でペンキの材料を乗せる事(防食の役割もある)

[鋼材と木材の比較]

まず、鋼材と木材の腐食、劣化の原因となるものは次のとおりです。鋼材の場合は、自然の大気中に存在する鉄を酸化させる成分や車の排気ガス、工業系の排気物、雨、沿岸地域における飛来塩分等様々な要因が挙げられます。実際、鋼材で使われている塗装保護の性能は塗膜厚に大きく左右されます。例えば鋼橋は、5層塗装されており1層目2層目は錆止め、3層目は彩色のための下地、4層目5層目で彩色のための塗装をします。しかも、各塗装は一定の塗膜厚が確保されてなければ正しく機能しません。もちろん、3~5層目も錆止め作用はあります。しかし、しっかり5層塗装されていても塗装そのものが前述の腐食劣化の要因とさらに紫外線による影響で経年劣化および腐食は免れませんので定期的な塗替が必要となります。
木材の場合はコケ・カビ、害虫、気温変化、風雨など挙げられますが、一番の大敵は紫外線です。生きている木は、根から養分を吸い上げ木の皮に保護されているので自らの力で紫外線から身を守ることができます。しかし、木材は、当然伐採されていて、根からの栄養供給はなく、地肌が晒されているので紫外線からは極めて抵抗力が弱いのです。紫外線によって長年ダメージを木材に与え続けると木の細胞は破壊されます。よって、ステイン材の性能の良し悪しは、防虫・防カビ効果は当然ですが紫外線による影響を防ぐ効果が何年間有効かで決まります。色彩を出す目的もありますがそれは、二の次です。
木材は、その元来素材自体に水分や空気を含み、且つ湿度が高いときには湿気を吸う習性と、湿度が低い時には湿気を吐く習性があります。そこで、ペインティングのように塗膜形成してしまうと、気温上昇に伴って内部の水分が気化し、逃げ場を無くし、木材の細胞を破壊したりしてしまいます。塗幕形成をしてしまっては、「吸う・吐く」の習性を妨げるばかりではなく、水分の気化によって細胞破壊をしてしまうことになります。木材には塗膜厚で保護するペインティングでは逆効果になり腐食を促進させてしまいますので、ステイニングで染み込ませて保護する方法でなければなりません。また、効果が落ちてきたら定期的な補修が鋼材の場合と同様に必要になります。
このように、ペインティングにはステインと同じように、素材を保護し色彩を出す目的には相違がありません。このペインティングの「厚さ=保護能力の向上」と言う式はあくまで、ペインティングの性能によるところが大きくステインなどには、当てはまりません。しかし、残念ながらこの式は大変わかりやすく、他の木材のステインにも当てはまると思う人が大変多いのも事実です。

[ステインの種類]

では、その含浸「染み込ませる」ステイングの種類について説明いたします。
木材のステイニングには大きく分けて、ディープペネトレーティング ステインズ、シャローペネトレーティング ステインズ、サーフェイス ステインズ、の三つに分類することが出来ます。

a)ディープペネトレーティング ステイン(深く浸透するステイン剤)

このタイプのステイン剤は乾かないオイル、もしくは皮膜を形成しないオイルの力を使って深く浸透するものです。このタイプは、オイル状態を長時間保ち木材の細胞内を活動します。最後には蒸発や希釈によってその効力を失います。一部のタイプでは、少量の乾燥しやすいオイルを配合することにより色素を定着させ木材の表面を保護しますが、元々少量しか配合されていないので保護性能は低いです。このタイプの浸透力には目を見張るものがありますが、その反面比較的見栄えの悪い表面の仕上げと保護力が問題となります。一番の欠点としては全くといっていいほど接着剤やコーキング剤と適応できないことです。

b)シャローペネトレーティング ステイン(浅く浸透するステイン剤)

このタイプのステイン剤の多くは乾燥しやすい オイルの力を使って、木材に1~3細胞ぐらいに浅く浸透させるものです。このタイプのステイン塗料は世間一般に広く使われているタイプの物で、施工方法さえ間違わなければ良い効果を期待できます。問題点は、もし正しい施工方法で行わないとステイン剤が木材に浸透しないため表面に膜が形成されてしまい、乾いたときに割れて剥がれが発生してしまいます。また、乾燥すると硬化・脆弱してしまうので木の動きには追従することが出来ません。

c)サーフェイス ステイン(表面に定着するステイン剤)

このタイプのステイン剤の多くは、水性で浸透力としては1細胞ぐらいしか浸透しません。しかしこのタイプは、本来持ち合わせている細胞レベルでの高い接着能力と追従性能を有しており木材の外観を美しく保護します。このタイプのステインに求められる性能としては、高い接着性能、追従性、紫外線に対する保護、耐酸化性能、耐候性能が上げられます。上記のような高性能の要素を持つステイン剤を正しい手順で施工すれば大変長く強力に木材を保護します。

どのタイプのステイン剤が住宅の木材には一番いいのでしょうか?
各ステイン塗料にはどれも長所・短所があり一概にどれが一番優れているとは言い切れません。しかし、ログハウス・丸太材にどれが適しているかという事であれば間違いなくサーフェイス  ステインです。ログハウス・丸太材のその特徴的な構造のためサーフェイス ステインズが持ち合わせている各性能が必要となってきます。同じ木材ですがログハウス・丸太材の表面は板材と違い常に太陽光線に直角になる面があるため紫外線や表面温度上昇の影響を大変多く受けます。板ももちろん紫外線や太陽光線による温度上昇の影響を受けますが、平らなためその大半を反射拡散します。また、キャプチャー ステイン剤は水性なので環境にも大変やさしくほとんどの場合特殊な防具など必要なく安全に作業ができます。大自然の中に共存するログハウスにはこれ以上ないステイン剤です。

サシュコ社のキャプチャー ステイン剤は3番目のサーフェイス ステインに該当し、他社の同タイプのステイン剤と比べても、高い接着性能、追従性、紫外線に対する保護、耐酸化性能、耐候性能がありログハウスのような丸太をそのまま使う建造物には最適です。

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