チンキングとコーキングの違い

チンキングとコーキングの違い

隙間を埋めるシーリングはチンキングとコーキングに分類されます。同じシーリングで、チンキングとコーキングとでは何が違うのでしょうか? まずは、名称の違いを確認いたします。コーキングのcaulkは「隙間・継ぎ目をふさぐ、水漏れ、空気漏れを防ぐ」という意味です。もちろんチンキングのchinkも「隙間、割れ目をふさぐ」という意味がありますが、それ以外に「裂け目・割れ目、狭い隙間、隙間からの光」など壁等の隙間自身を現す意味もあります。若干の違いはありますが、両方とも「溝を埋める・ふさぐ」という意味では同じです。それでは、用途の違いを確認いたします。ログハウスでのコーキングは主に木部に生じた亀裂や木口の隙間を埋めるために使用されます。対してチンキングは北米のログハウスなどで見られるハンドカットログのグルーブやノッチ周りの隙間を埋めて風、砂、虫、外気等の侵入を防ぐ為のログハウス特有の工法です。

シーリング

[名前]chink「隙間、割れ目をふさぐ」という意味がありますが、それ以外に「裂け目・割れ目、狭い隙間、隙間からの光」など壁等の隙間自身を現す意味も。
[用途]北米のログハウスなどで見られるハンドカットログのグルーブやノッチ周りの隙間を埋めて風、砂、虫、外気等の侵入を防ぐ為のログハウス特有の工法。

[名前]caulk「隙間・継ぎ目をふさぐ、水漏れ、空気漏れを防ぐ」という意味。
[用途]ログハウスで主に木部に生じた亀裂や木口の隙間を埋めるために使用されます。

次に、コーキングとチンキングの性質の違いをみてみましょう。

[コーキングの場合]

木材の亀裂は進行割合が大きい為に、木部に使われるコーキング剤には、木部にも接着する性能と伸びる性能の両面を兼ね備えていなければなりません。例えば、ログハウス部材の表面に2mmの亀裂が生じたとします。この亀裂は乾燥などで容易に6mmの亀裂に進行する事も十分にありえます。亀裂が変化したサイズはたったの4mmですのでコーキング剤自体にさほど負担が掛からないように思えますが、実際は元々充填した時点から200%伸びる事になります。それに耐えられる接着力と伸張力が必要になります。接着力と伸張力が欠けているとその変位に耐えかねてコーキングした接着面が剥がれたり、コーキング剤そのものが裂けてしまいます。接着面が剥がれた現象をアドヒーシブ・フェーリア[Adhesive Failure(接着の面が剥がれたことによる失敗)〕、コーキング剤自体が裂けてしまうことをコヒーシブ・フェーリア〔Cohesive Failure(ちぎれたことによる失敗)〕と呼んでいます。このように、コーキングには一見、運動量が少ないような場合でも実際は大きな比率で負担が掛かっている場合があります。

[チンキングの場合]

一方チンキングは、ログハウスの丸太と丸太の間の隙間を埋めるために調合されています。その量はログ壁に使用している木材の乾燥度や築年数によりますが数ミリから数センチの動きがあると考えら得ます。例えば壁高3m・グルーブ10本の壁に、1グルーブあたり25mm幅のチンキングを新築時に施したとします。一般的にログハウスは新築から3~5年をかけて約3%程度のセトリングを起こすといわれています。この場合だと壁高が3mなので全体で約90mmのセトリングを起こします。(3,000mm × 3%= 90mm)グルーブは10本なので約9mm狭まったことになります。この場合、チンキングの幅が25mmなのでセトリング後は(25-9=16)、圧縮率は1本あたり36%となります。また、季節や天候などで木材そのものが膨張伸縮を一年通して繰り返し行いますので、圧縮されるばかりではなく同程度伸びる可能性もあります。そのためチンキング材は多少の追従性と接着力以外にコーキング材とは違い、圧縮された場合でもはみ出ない適度の固さが求められます。

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